患者が欲しがる情報を提供している医療機関はどれくらいあるでしょうか?
下の表は、厚生労働省の調査データです。
表3-2 病院の種類別にみた入手できた情報(入院)(複数回答)平成17年)
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基本的な病院情報でも60%にしか伝わっていないので、この調査でその他の情報に属するであろうより詳細な情報(限定的な条件)は20%以下と極めて低くなっています。
ステークホルダーとのコミュニケーション
大量の情報が発信され情報へのアクセスが容易になった近年は医療機関として患者に情報を発信するだけでなく社会性や患者・生活者視点での情報発信が求められています。患者にとって興味が持てて、自分にとって役に立つ情報以外には関心を示さない時代になりましたので、一方的に病院情報だけを発信する時代は終わりました。
従来の交通看板や宣伝のように一方的な病院基本情報ではなく、エンゲージメントを得るには患者をはじめとして住民との信頼関係構築と認知・知名度獲得を目的に、医療機関または医療団体として社会性や経済性などを含んだ情報によっての相互コミュニケーションを図ることが基本になります。
さらに、医療関係者や周辺の連携医療機関に対しては、専門的な医療技術に関する情報、採用情報を発信し共有することで地域での連携の基盤が構築できます。
例えば、療養型医療機関はそれぞれの特徴、理念、方針など患者ばかりでなく急性期病院の連携担当者が関心を持つ情報発信などが必要です。
このように、医療・病院広報においては患者や住民の視点での情報発信によって関係を構築していくことが必要な時代になりました。認知や信頼獲得には基本情報以外に患者が必要とする医療情報を提供することがポイントになります。
関連情報: 地域包括ケアと病院広報
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