医療・病院のブランディングの変化

地域包括ケアシステムとソーシャル・メディアの時代になり医療・病院においてブランディングはどのように変化したのか、ということを再び考える機会がありましたのでまとめてみました。

そのまえにブランディングは広告、広報と同じではありません、患者など利用者がブランドとコミュニケーションをする方法論ですのでまずはブランドを構築してポジショニングを明確にすることなどが必要です。

従来はいきなりロゴやパンフレットのデザイン、どのようなイメージを考えるかということに向かっていきましたが、現在はそれだけでは十分ではありません。ソーシャル・メディアユーザーやスマートフォンの増加で、より複雑になっています。即ち患者・消費者との情報の接点が多様化し、従来のような情報発信では他の情報に埋もれてしまい、目指す患者に届くことが困難になってきています。

医療機関におけるブランディング戦略では医療サービスを可視化し、自院の地域における医療サービスの価値と認知を統合して考えていくことが必要です。

ブランドは個性、価値、特徴を有することを認知されるべきものです。それは差別化、ステークホルダー価値と長い寿命を有する活動的経営資産となります。

というのは前置きです。

小西圭介さんの言葉をかりると、

ブランディングとは本質的に共有された価値に基づく有形無形のコミュニティーを形成する行為であり、それは企業や製品(サービス)と顧客(患者)とのつながりにとどまるものではない。社会的コミュニティーとの関係基盤を築き、」その力を借りながら、新しい事業や価値を生み出していくための新しいシステムを創ることが、今日的なブランディングの意味である。

即ち、単なるテクノロジーの活用、コミュニケーションやメディア戦略だけで捉えるべきではなく、社会や消費者(患者)の変化(パラダイムシフト)を認識し、医療提供および脅威である「価値創造を抜本的に変える機会」を経営戦略レベルでの取り組みが必要となります。

また当然のことながら経営課題の認識と取り組みを経営者がコミットすることが必要です。

ご存知のように患者は医療機関や医療サービスを選択時にどのような治療や健診サービスを提供し、どのような利点があるかを医療機関がコミットしているかを検討します。

このプロセスにおいて、従来のように家族や信頼関係がある医師の影響もありますが、強い情報発信力をもったネットワーク上の同じ状況を経験した「多数」の個人の意見も影響が大きくなってきており、この口コミが病院のブランディングに大きな影響を与えることがあります。

さらに患者自身も治療に対する自分の考え方、治療方針の選択、症状、医療サービス、医療機関の対応について発信することが多くなっています。

このように様々な患者の体験をする場である医療機関(および各接点)の評判(印象、評価、信頼)がブランド形成に大きな力をもつようになりました。(ペーシェント・エクスペリエンス)ことの良否は別にして重篤な疾患になればなるほど患者は、情報をGoogle検索やソーシャル・メディアで広範囲に探索します。このように一人ひとりの状況に応じて求める情報は異なります。

今日のブランディングは、従来のメディアやツールに加えて患者一人ひとりに焦点をあてることに移行しています。ビックデータ、AI、行動心理学によりデータに裏付けられたコンセプトができることにより、さらに強力なブランディングができる時代になりました。

このように過去は拡大を遂げてきた大きな医療機関でも、外部環境の変化による自院のブランドが陳腐化する可能性があります。特に総合病院として発展してきた場合には医療政策が地域包括ケアシステムに移行、CureからCareへ、情報システムの浸透(スマートフォン、ソーシャルメディア等)に大きな影響を受けます。

長い歴史を重ねていく過程で、医療行政の影響が大きい病院経営におけるブランドを時代の変化に適合しているか検討することが必要ことが、変わりゆく社会情勢に対応するうえで重要です。

参考:ソーシャルメディアと社会学

参考:強い医療ブランドが勝つ14の理由(英語)

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