大病院の実績 開示義務

2017年度からDPC病院の実績に関する情報開示が強化。(日経新聞)

開示義務化は病院経営にどのような影響があるでしょうか。すなわち情報開示の意味と中小の医療機関への影響はどうなるのでしょうか。

診 療報酬や報告の枠組みは現時点(2016年2月)では決定していないとのことです。現実には病院は開示しないことへの説明が困難になり、従来は患者の状態 で単純比較は情報開示は誤解を生むとしてきた障壁が取り払われたことになり、情報開示にむかうものと予想されます。特に得意分野においては横並びの考え方が崩 れるのではと考えられます。患者にとっても標準化された情報がそろうことで各疾患や治療法への関心がより高まります。

それでは開示した場合の病院経営への影響を検討してみましょう。

●対象病院は
ベッド数で5割を占める全国に約1600カ所あるDPC病院。
数年後には、都市部の開示が義務付けられていない対象外の病院は比較する対象として患者・利用者からは選択肢に入らないことが起きる可能性があります。当 然対象外の病院も対策をすることになると考えられ、病院間の競争を促す厚生労働省の考えに沿うことになります。したがって患者が欲しい情報が対象外の病院 になければ、患者の満足度は低下し選択の対象にならないということです。

●厚生労働省の目的は
報道によれば、
1. 患者が病院の得意分野を比べて受診先を選びやすくする。
2. 病院の競争を促すことで医療の質の向上と効率化を促す。

都市部以外では受診先をそれほど選択する余地は無いと思われるが、難病や慢性期疾患、癌などの患者は大病院の比較する情報があることにより病院を選択しやすくなります。
また競争が発生することにより、患者は症例数のみでなく生存年数や治療法にも関心が持てるようになり、自分で選択することで満足度は向上できるものと考えられます。

●公表内容

1. 年代別の患者数
2. 5大がんのステージ別患者数
3. 診療科別・手術別の入院日数
4. 診療科別の症例数
5. 脳梗塞のタイプ別患者数
6. 肺炎の重症度別患者数
7. その他

公表内容の枠組みはこれから検討されるとのことなので、結果を待ちたいと思います。癌においては、患者は生存年数と治療法に関心があるのでどのように枠組みを作るのか関心があります。

●患者が選びやすくするとは
患者にとって分かりやすくなり、その結果選択しやすくなることは何人も異論が無いと思います。しかし、実績が開示された時、情報の背景となる医療や保険制度など基本的なことは説明されないので患者は
やはり相当な努力が必要になることは同じだと思います。厚生労働省は基本となる情報発信や認知にも注力する必要があります。すなわち整理された医療情報でも、基本知識無しでは理解できないということです。

情報発信する病院もそのことを踏まえて、発信することが必要と考えます。

●病院間の競争を促す結果は
厚生労働省はこの情報開示導入によって医療の質や効率を上げ、最終的にはコストの低減と患者満足度を上げようとしています。一方で病院は診療報酬が「人 質」に取られているのでやむなく開示に動くと思われますが、その次に起きることを踏まえた組織や医療技術や広報等の業務改善に力を入れていくことが重要で す。

藤森研司東北大医学部教授は医療の質の向上が期待できるとしています。「医療の質」は医療技術や人材育成、経営企画など院内が一体となって取り組まなければ達成できない課題です。加えて情報発信業務の簡素化やその効果・評価について検証し、経営に生かすことを忘れてはならないと考えます。

DPC対象の病床数は全体の約半数とのことですので、制度の導入は大きな影響を与えるものと考えられます。さらにDPC対象外の病院にもその余波があるものとして対策が望まれます。

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病院広報の 株式会社 日本医療ソリューションズ
問合せ先 TEL:0120-54-0143

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