患者受療行動調査 平成29年
患者が医療機関にかかる時の情報入手先調査(平成29年)を厚生労働省が発表しました。
平成23年と比較すると、患者の行動には大きな変化が出ています。その内容を下記にまとめました。
- かかる前に「情報を入手しているしているとした人は約50%増加しました
- 「医療機関が発信する・インターネットの情報」から情報を取得した人も約60%増加
- 最も多いのは家族・知人・友人の口コミが突出しています
- 医療機関の相談窓口が減少、特に入院は約50%減少しています
入院は病棟ごとに区別していないので、この調査データをそのまま使えませんが慢性期病棟などは比較的近いデータがでるものと推測します。
1.情報を入手している
近年は明らかに情報の真偽は別にして容易に手に入ることがわかります。即ちインターネットを通じて情報は多く、本屋や医療機関に行かなくても情報を入手できる環境になったということです。
従来は医療機関や行政機関の窓口に行くことは減少しているので、患者自身が自分の症状等から判断して情報を集めているものと考えられます。
2.医療機関が発信する・インターネットの情報」から情報を取得した人も約60%増加
情報を入手する時に、医療機関のホームページからも同様に情報を収集していることも分かります。しかしここで言う情報は病院の特徴以外に、疾患や症状、治療法についての病院情報です。
3. 最も多いのは家族・知人・友人のクチコミが突出しています
患者が病院にかかるときの行動の中で、平成23年には無かった項目なのでどのようなクチコミなのかはわかりません。
家族・知人・友人とのやり取りではインターネット、特にソーシャルメディアが想像されます。
4. 医療機関の相談窓口が減少、特に入院時には約50%減少しています
通常は医療機関には患者相談窓口などがありますが、医療機関にかかる時には相談窓口は使わないのかと思われます。近年は相談窓口は強化される傾向にありますが、患者は入院が決まった後などは利用しますが外来にかかるなどのときには利用が少ないのかと思われます。
原因としては患者相談室などが医療機関にあることが周知されていない、または病院に行かなくても情報が簡単に手に入ることが考えられます。
入院について患者相談室や医療連携室を効果的に活用するには、衆知を強化することが必要です。
まとめ
上記の調査内容を仮説として、自院の広報PRに利用していただけます。特に口コミの部分については検討する価値があると考えます。
またホームページを含めたデジタルメディアを統合して、どの様に患者のみならず家族や友人に接触を図るかの行動も必要と考えます。(ペイシェント・エクスペリエンス)