スタンフォード大学の広報戦術-睡眠科学の本

スタンフォード大学の広報スタイルを垣間見る「最高の睡眠」を読みました。この本はスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所でナルコレプシーなどの研究をしている西野清治先生(スタンフォード大学医学部精神科教授)が書いており、販売から間もないのですが5万部が売れているとのことです。

それほどに睡眠について関心がある人が多いということになります。また睡眠障害で悩んでいる読者もいることがわかります。

立ち寄った本屋で入口に山積みになり目立っていたので、そして睡眠に興味もあり買ってみました。内容は睡眠についてエビデンスをつけて素人にもとてもわかりやすく書いているところが論文と違うところです。

睡眠について参考になったのは、

  • 寝ることの重要さ
  • よく寝るためには朝からの行動が影響(覚醒)

このままでは書評になってしまいそうですが、目立つようなスタンフォード大学の宣伝のようなことは書かれておりません。エピローグにご自身のことや「スタンフォード大学の睡眠研究の使命」について書かれているだけです。(どのように睡眠の研究に関わって来たなど、著者をイメージする上で効果的です)

「最高の睡眠」では研究をしている現場の日本人が書いているので、外国人著者の訳文ではないので読者の納得度は極めて高くなっています。さらに日本の文化や習慣にも留意されている点は説得力があります。

内容は必ずしもアカデミックなことでは無くても、一般的な障害や疾患の悩みについてエビデンスを示して読者の理解を得る方法であれば、関心を示す人はいます。

近年では本を販売しているインターネット本屋に、たくさんの感想(レビュー)が書かれており、大量に販売されたこと以外にどれほど受け入れられているかがわかります。この本のレビューは19件あり、その他に単独のブログ等で20人以上(数えきれない)が書評を投稿しています。この感想をみてから購入する人もいます。従って著者にとっては大事な応援になります。

出版の広報的効果ー信用度

さてこのような出版がどのような広報の効果があるのでしょうか。一般的には下記のような効果が言われております。

  1. 信用度の向上(宣伝と異なる点)
  2. その領域で第一人者として認知される
  3. マスコミへのプロモーション
  4. 医療従事者の採用に有利
  5. 事業拡大や新しい診療科開設時には広告として機能
  6. 対象疾患のマーケティングとして患者や社会の見方がわかる

信用度については宣伝と比較になりません。第3者の眼を通して出版されるので自画自賛の広告とはまったく別のものとして捉えられています。

大学病院は臨床病院に比較して多くの疾患の例とともに、大量のデータがあるので本などは出しやすい環境にあります。データをまとめて一定の法則をタイトルに活かすことができます。その疾患や治療法が知られたものでも、データに裏打ちされた情報は説得力があります。

参考:特定機能病院のブランディングと広報戦略の見直し

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