患者エンゲージメントとは

従来エンゲージメントはマーケティングの用語としてソーシャル・メディアにおける「いいね!」などのユーザーの表層的な反応として理解して方も多いものと思います。

しかしWHO(世界保健機構)の患者エンゲージメントの資料によると、医療提供及び医療サービスの利用にあたって患者エンゲージメントは患者との関係のあり方として不可欠な部分として扱われています。マーケティングの視点のみならず安全な患者中心の医療サービスの重要な要素としています。(Patient Engagement)

The term “patient engagement” is used throughout this document and refers to the process of building the capacity of patients, families, carers, as well as health care providers, to facilitate and support the active involvement of patients in their own care, in order to enhance safety, quality and people-centredness of health care service delivery.

「ペイシェント エンゲージメント」は医療提供者同様に患者、家族、介護者の能力を強化するプロセスに関して、ヘルスケアサービス提供の安全性、品質、人間中心性を強化するために、患者自身のケアについて患者の積極的関与を促進し支援することです。

即ち医療・健康の患者意思決定に関して、従来の情報を提供しリテラシーの向上のみならず、患者が主体的に治療に臨んでいくことを、患者それぞれの心理的、経済的、社会的事情などペイシャント・ジャーニーに基づいて患者の事情に合わせて医療提供しエンゲージメントすることがこれからの医療継続させるものとしています。

患者との効果として、健康を増進することに医療機関と患者は協力し、 患者の医療への高い関与により健康のアウトカムは向上します。 患者は自分の医療意思決定プロセスに関与することを望んでおり、自分で医療について自分で意思決定してケアをしている人はより健康で、より良いアウトカムを得る傾向にあるとしています。

患者は受け身の治療への参加ではなく、積極的に治療に参加(アドヒアランス(adherence))を啓蒙しようとしています。またこのことは人権と限られた医療リソースを適正に配分することにもつながります。

日本では赤ひげの医療が始まってから、近年は世界の動きに合わせて患者と医療提供側の力関係が変わりつつあります。厚生労働省の保健計画2035年や医療関係者の働き方改革の中でもでも記述されているように、医療のパラダイムシフトが起きています。しかしこのパラダイムシフトをどのように捉えていくかについては明示されていません。

パラダイムシフトの内容が明示されないと、今後の医療政策のなかで関係者が具体的な対応への障害、または従来の延長線上での効果が無い施策しか出てきかねません。

さらに患者とのエンゲージメントが進まなければ、効率的で高い医療のアウトカムは望むべくもありません。

一方でマーケティング関係者は近年は明確に患者・住民とのブランドの結びつき即ち「エンゲージメント=ブランドと患者・住民をつなぐ“熱い”親密さ・結びつき・絆・共感」という捉え方をしています。エンゲージメントによって医療機関の認知度が高まり、選択が容易になります。

医療機関にとってもエンゲージメントが向上することで、患者との結びつき(関係強化)が増加し、医療リソースの適正な配置が可能となります。例えば信頼関係が無い医療提供側と患者ではお互いに安全やプロセスを過重にし、リソースを偏って配置することになります。

いずれにしても、患者エンゲージメントを得ることで患者と医療提供者間の相互の説明責任と理解を促進します。エンゲージメントを強化された患者は情報に基づいて、より良い治療選択するための意思決定を自ら行い、医療機関は患者をサポートする立場になるなど関係見直しを検討することが重要となっています。

デジタル広報を考える上でエンゲージメントを強化するにはペイシェント エクスペリエンスを各接点で検討する必要があります。特に対象とする患者との接点において、強化策をできるかを考えて行く必要があります。

参考:病院広報とエンゲージメント

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