新型コロナウィルス禍の病院広報・PR

新型コロナウィルス(COVID-19)感染症の緊急事態宣言解除され、Gotoトラベルなど経済支援策が実施されています。しかし新型コロナウィルス感染症禍の終わりは見えず、医療機関や介護施設は変わらず感染症対策を維持しながら、業務を以前の状態またはさらに厳しい予防対策が継続しています。現状では冬期の感染増加予測があり緊張した状況が継続しそうです。(更新日2020.9.1)

無症状の陽性患者の対策もままならないので発熱等の外来患者の受け入れは困難な医療機関もあり、受け入れたとしても患者の協力が必要な状況にあります。一方患者も医療機関での感染のリスクを考えて、手術や予防接種さえも受診を控えているケースがあります。

7月から感染者の増加があり情勢が不安定であり、人々の感覚が変わっていく中で患者とのコミュニケーションは困難な部分があります。この時期は静かにしているという広報担当者もいるように、広報業務が機能していないケースも見られます。

確かにこの状況においては外来や新しい入院患者へのアプローチは難しいものとなっています。それでも以前と変わらない宣伝・広報・PRを継続することはかえって逆効果となることも想定する必要があります。

この状況で業務を修正しながら危機管理や新型コロナウイルス感染症対策を強化し、患者や住民とのコミュニケーション、エンゲージメントを強化することを広報PRを通じて実施し成功しているケースがあります。より現実的な対応として患者に正確な情報を提供し受療行動を促進する新型コロナウィルス禍の病院広報PRについてまとめてみました。

参考:新型コロナウィルス緊急事態宣言の病院広報とリスク・コミュニケーション

現状

新型コロナウイルス感染症で4月の医業収入は新型コロナウィルス感染症治療に携わった医療機関も含めて10%以上低下し、医療対応だけでなく経営的な側面もダメージを受けています。入院患者の抑制や外来診療の停止など想定外の減益になり、運転資金に影響が出ている医療機関もあります。この状況は医療的、経済的、心理的、さらに人事面でも継続することが予測されます。また既に医療機関の倒産について報道されています。

外来診療は人的に対応できる医療機関は徐々に診療科数を増やしています。外来で非常勤の医師での対応をしているところは再契約のため診療まで時間がかかっているケースもあります。人間ドックに少し予約が入り始めていますが、例年よりもどの医療機関でも低調です。

患者は医療機関での感染を恐れて受診を控えていることが顕著に表れています。医療機関は新型コロナウイルス感染症対策と同時に医療サービスの見直しや診療体制の強化は注力しています。7月9日に都内で224人の新型コロナウィルス感染が確認され、この数値は4月17日の感染者数206人よりも多く、検査率も上がったのですが陽性率も上昇傾向で緊張が高まっています。

7月に入って看護師など医療従事者の退職・転職が増加傾向にあります。さらに減給、賞与カットの大学病院では同時に多数の看護師の退職希望が明らかになっています。

新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言解除後の広報

患者の受療行動には大きな変化には広報担当者や経営者は院内はもとより患者動向について感度を高める必要があります。

緊急事態宣言解除後は明らかに患者・住民は緊急事態宣言終了から希望を感じられる動きがでております。しかし患者は受療行動を起こすに至っていませんので気持ちには新型コロナウイルス感染症への恐れはそのまま残っておりますので、特に小児科などで患者が受診をためらっているケースが多く見られます。

患者の自身の健康への関心を高めるには患者とのコミュニケーションを再度構築することが必要です。従って患者の持っている情報をアップデートする必要があります。自院として「どのように新型コロナウイルス感染症対策をして医療を提供しているか」を伝えることは重要です。難しい状況ですが、発信しないと何も伝わりません。こういうときだからこそ、患者や医療関係者に情報を提供し、コミュニケーションをとっていく努力が必要です。

ポスト緊急事態宣言(新型コロナウィルス感染症禍)の病院広報PRはその収束等予測について難しい部分がありますが、リスク・コミュニケーションをしっかり実施されていた医療機関は比較的スムースに広報の次のステップであるリカバリーを目的としたコミュニケーション・PRをスムーズに始められます。

即ち新型コロナウイルス感染症の陽性患者が増加したときに、新型コロナウィルス感染症の医療情報とともに自院の状況や陽性患者の有無などについて適切な情報提供をしており、ここまでの過程が患者・住民に理解され、信頼が構築されていれば、次のステップに進み易くなります。ほとんどお知らせだけを流している場合は、自院の現在の状況を丁寧に説明しその反応を見ながらコミュニケーションを継続して行くことが第一段階ですので医療機関によって異なった対応が必要です。。

リカバリーを目的とした広報は上から目線では無く、また機械的な言葉の羅列も排除しながら、自院の状況を伝えることに留意し、リカバリー(情報の透明性と自院の状況、新型コロナウイルス感染症に関する対策の強化)を目的とした広報の内容を検討することが第1歩です。

主な訴求ポイントは

  1. 変化する新型コロナウィルス感染症の状況に沿った患者の関心、気持ちに寄り添うメッセージ
  2. 患者の不安低減ためのメッセージ
  3. 自院の理念と提供している医療サービスについて
  4. 安全・予防対策について
  5. 職員のストレスや生活環境の変化への対応(院内広報)

これらの対応をどのような経営方針で広報をするかを明示しておくことが透明性を担保しやすくなります。また透明性への期待感も醸成されます。

10の新型コロナウイルス禍の病院広報こちらにメールでご請求下さい。

自院の最新情報提供で信頼が構築されれば、時間の経過とともに患者・住民など周囲の動きに安定感が伴ってくれば必然的に受療行動も上向くものと考えています。実際8月には年齢別の感染者数は20−30代が多く、活動が増えていることが見られます。

同時に職員との信頼関係構築も人事担当者と調整しながら院内広報を推進することが求められます。

現状でメディアプランを作成することは困難ではありますが、自院のポジションを経営者によく確認して戦略的な広報PRが求められる時期です。早くから最新情報の提供を始めることで信頼関係の回復の糸口発見することと回復の時間を短縮できますので、病院経営も改善が期待できます。

●弊社は新型コロナウィルス感染症の状況は医療だけでなく、住民の生活レベルでのパラダイムシフトが起きていると考えております。新型コロナウィルス感染症の収束を期待した従来の広報PRはこのような事態に貢献することは困難と考えております。

しかし、正しいマーケティングと病院広報の枠組みで対応することが上記の訴求ポイントを含めて必須と考えております。理由は「集患のみ」を目的とした広報はマーケティング2.0時代の産物であり、マーケティング4.0では集患と同時に患者エンゲージメントを考慮することが患者だけでなく医療機関にとっても重要な項目になっていることと認識しております。

上記の理由で、病院広報にとって今が最も重要な時期と考えます。医療機関にとっても陽性患者が情報を正確に伝える、来院時にマスクするなどの基本事項を守ってもらうなど院内の習慣や文化を理解しておいてもらうことが、無用なトラブルを防ぐだけで無く、このような事態でも患者満足度を損なうことを防ぎ、患者が治療に積極的に参加する行動変容を促すことになります。

次に米国は感染者数は多いのですが、トップクラスの病院であるメイヨー・クリニック、クリーブランド・クリニック、ジョーンズ・ホプキンス病院の事例を参考までにご紹介いたします。患者エンゲージメントのために型式通りの説明だけでなく思いやりさえも感じる広報・コミュニケーションの方法です。

海外の事例

新しいステップへの広報の対応はイメージがし難いと思いますので、参考まで医療関係で参考になりそうなサイトをピックアップしてみました。

次のようなメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)のサイトはわかりやすく参考になるかもしれません。

このマスクをした女性は経営委員会のウィリアム医師です。ご存知のように米国では今まではマスクをすることは、このような動画撮影の場合にはありませんでしたが、ウィリアム医師があえてマスクを着用して伝えていることはその緊迫感を伝えるには十分な意味があります。

またタイトルにもあるように、これらの対応はより患者一人ひとりに近い存在で遠隔医療システムを使って医療を提供する意志を伝えています。規制だけではなく距離感や不安感に対応するソリューションを提示していることが前向きでいいと思います。

さらに自院の感染対策について、丁寧に説明していることが患者にも届くと考えられます。

●次はクリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)の院長の挨拶

この動画の中で患者にフォーカスしたメッセージで安心感を与えています。

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クリーブランド・クリニックの感染対策の動画

クリーブランドクリニックはより多くの事例で説明していることが印象的です。ここでも患者を第一に考えていることを伝えることは安心感を患者に与えます。

●ジョーンズホプキンスの患者の安全についての動画

新型コロナウイルス感染症禍の病院広報

自院のBSC(事業継続計画書)やリスクマネージメント、さらに自院のポジショニングを確認しながら病院広報とコミュニケーションを新たなフェーズ(リカバリーを目的とした)に向かっていくことが必要です。

現在の状況に合わせた「10の新型コロナウイルス禍の病院広報」をまとめました。希望の方はこちらにメールで資料をご請求下さい。

update:2020.9.1

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